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パフォーマンス:6月3日・5日・7日20時〜 8日19時〜
入場料: 各500円 3日ゲスト:菅間圭子
連絡先: 村田 izumizum @ezweb.ne.jp
令和へ。村田いづ実の極私的人生も行為によりリセットされる。
森下泰輔(美術評論家/現代美術家)
龍宮を題に取った村田いづ実の前回の個展は、母の死後に立ち現れた想念を中心に構成された。母という繭に守らていた生活がまるで龍宮での楽園の日々のようだと考えた村田個展は、自らを海から上がった浦島花子ととらえ、昔日の思いを振り返るという構造をもっていた。 今回の個展 「龍宮2・MISOGI」 は、いわばその続編となっている。
あれから作者は海から上がったものの肺呼吸に馴染むことができず、原因が特定できないめまいをともなう体調不良にさいなまされている。一方で自分なりに禊ぎを続けてきた。 今回の個展はその過程で拾った風景の映像や、河原の石、木の皮等のインスタレーションで構成されるという。
村田は昨夏、遠野の早池峰神社の奉納神楽に参加した。 神事のひとつに川での禊があった。自らの穢れを祓い川に流すというものだ。それを自分流にアレンジし、毎月の亡き母の墓参りの帰りに、飯能河原に寄り、川に手足をつけて自らの穢れや、心身の毒を流すという行為を続けている。
「その過程で、霊園近くの森に行き木の実を拾ったり、キノコの写真を撮ったりしていくなかで子供の頃の冒険心が蘇って来るような楽しさも感じだし、去年秋の台風の後、森のなかでは折れた木が別の木に引っ掛かり、まるで首を吊っているように見えました。生前交流があった首くくり栲象さんを思い出し、その木に出会う楽しみも増えました」(村田いづ実)
今回も、その木が揺れている動画、川や空の動画を流すという。
3日の菅間圭子とのコラボでは壁一面の布にライブペイントで「めまいのぐるぐる」(村田)を踊りながら描く。 また、中央にカメ(未定)を置き、水で穢れを祓うようなパフォーマンスも他の日に展開するという。
村田いづ実が自らの人生を回顧し、それを禊祓う行為は、くしくも平成をリセットし令和という新たな元号の時代へと向かいリビルドしてゆくようなニッポンの現実とも二重写しになっているかのように映る。
村田いづ実
前回の個展の後、ぐるぐるとした体調不良となった。
あたかも海から上がり肺呼吸に馴染めないかのように。龍宮の物語は続いている。
引用した御伽草子では鶴になった太郎は蓬莱山に飛び亀の乙姫と幸せに暮らすハッピーエンドなのに。
去年の夏、遠野の早池峰神社の神事に参加したことをきっかけにセルフ禊を思い付く。
川に手足を付け、心身の穢れと過去の垢を流す意識で。墓参り帰りという一石二鳥も兼ねて。
いてもたってもいられない必死さから回を重ね、自然と触れあう事で子供の頃のような冒険心が蘇り楽しさも出てきた。
河原で気に入った石を拾う。文字が無かった古代の人は気持ちを石で伝えたらしいが、その感覚に想いを馳せる。水を見てるだけで何かが流れて行く。
河原に寝転び空を見る。トンビの鳴き声と風の音。土に帰る存在であると初めて意識したが生かされてる感謝の気持ちも湧いてきた。
日本古来の風習に予祝というのが有る。予め良くなった事として先に神様に感謝するらしい。
ぐるぐるとした自身と新しい時代が良くなることを予祝して祈りを込めて行為する。
村田いづ実 : ダンスパフォーマー、アーティスト。
枠の無い表現をモットーにダンスと美術をモチーフとした独特のアートパフォーマンスを展開。
89'「恋は水色」93'「マザーカプセル」アムス西武企画。
95'反核イベント「ニュークリアガール」で朝日新聞掲載。
99'インタラチオーネ国際Art フェスティバル参加。
06'「乙女の祈り展」07'「DE/乙女の祈り展」銀座芸術研究所(グループ展)
09'個展「イザベルモナROOM 」cafe FLYING TEAPOT
10'個展「パーラー泉」Art Lab TOKYO
11'12' BUCHEON国際アートフェスティバル(韓国)参加
17'個展「龍宮」Art Lab AKIBA
Director:Kentaro Chiba
Art Lab Akiba