来る7月28日より、8月18日まで当銀座芸術研究所と、小岩プロジェクトスペース(チバビル4カイ)において国際グループ展「デイスロケイト」を開催致します。
当展はトランポリン(ベルリン、イギリスノッティンガムを拠点にするメディア・アート助成団体)の協力を得て、イギリス人キュレーター、エマ・ルイスによって企画されました。当展覧会では、現代の空間や場所で生じる齟齬感に関心を持ちながら制作している日本とイギリスの気鋭作家がエマ・ルイスによって選定されました。エマ・ルイスは昨年のノッティンガム・トレント・大学と武蔵野美術大学の交流プロジェクト、「領域の往き来展」で中心的な役割を演じ、現在は将来性のあるキュレーターとして、またトランポリンの一員として、活動の範囲を、メディア・アートの国際展、「ラディエーター・フェスティバル」から美術教育の国際プロジェクトなどに拡大させています。今回の企画では、多数のイギリス人作家(スペシャルゲストとして、オーストラリアとアメリカのアーティストを含む)がエマと伴に来日し、作品展示、展覧会期間に開催されるワークショップを行い、さらに日本人作家との交流を深めます。
当展覧会でエマ・ルイスは、現代社会の本質となりつつある地域性とグローバル性の混合をもたらしている、ネットワークの拡張を検証致します。今回の展覧会は意欲的な企画であると確信致します。是非この機会に本展覧会にお立ち寄り戴きますようお願い申し上げます。
Art Director地場賢太郎 Dislocate
キュレター:Emma Lewis
開催期間:2006年7月28日(金)-8月18日(金)
会場1:銀座芸術研究所
〒104-0016東京都中央区銀座7-3-6 tel.03-5537-5421
オープン:水・木・金・土・日曜日 15時-20時
会場2:小岩プロジェクトスペース(チバビル4階)
〒133-0056 東京都江戸川区南小岩7-27-2 tel.03-3659-2938
オープン:火・水・木・金・土・日曜日 11時-19時
私達は日々、目には見えないもう一つ現実の海を泳いでいる。私たちを取り巻く世界は物質的な構造物であると同時に、実体の無いネットワークによって形成されている。そしてそこにおいては常に発信と受信が繰り返されている。
現実の地図を超えて、心の地図が広がって行く。私達は決して一つの場所に留まることは無い。ここは、ここであると同時に他のどこかでもあるのだ。
展覧会Dislocateは国際性と地域性の間に生じる緊張感について検証する--それぞれの地域がその地域特有の要素や存在感を保ちつつも、絶えず世界中からの影響に晒され続けているという事について。
この展覧会には日本とイギリスを活動の拠点とする複数のアーティストが参加する。
Jeanie Finlay
イギリス・日本の2ヶ国における滞在制作中、7人の高齢者を訪問し「Home-Maker」と題された作品を完成させた。ひとりひとりと時間を共し、それぞれが辿ってきた人生や日々考えている事、想いを聞きつつそれをビデオに撮影した。ビデオでは7人それぞれの住む場所を360度のパノラマで窺い知ることが出来る。
Allen Coombs
私達の現在位置とは何かを検証する。GPSテクノロジーを駆使し、街中で移動する自らの軌跡をドローイング作品として発表する。
Yuko Mohri
私たちが普段意識する事のない目には見えない空間、私たちを取り巻く磁場の存在をテーマにした作品を発表する。磁場の存在を音、或いは物の運動 †に置き換えることで視覚化し、観客と不可視の空間が関わり合う場を創り出す。
Yoshinori Niwa
野性を飼い慣らすことをテーマにしたパーマンスインスタレーションを通じて「内側」と「外側」を隔てているものは何かを問いかける。
Keiko Takahashi
「Diorama Table」と題された作品を作成。テーブルの上に置かれたカップ・ソーサー・ナイフ・フォーク・箸などを動かすと、自動車・電車・家・樹木の映像がテーブル上に映し出される仕組になっている。観客同士が関わり合うことで成り立つ作品である。
私達のいる場所とは。その意識を見つめ直すために各国のアーティスト達は、東京と他の国々の都市を繋ぐ「音声ガイド」を作成した。このガイドを聴きながら銀座の街を歩くといつのまにか辺りの建造物や人々は消え、どこかにある知らない街の音や、その場所について語る声が聞こえてくる。
展示される全ての作品には観客の参加が必要であり、自分がこの移ろい行く世界のどこにいるのかを一人一人が考えるきっかけとなることを求めている。
この展覧会はの目的は、私達と都市との関わり方について、つまり人が場所に与える影響や各々が持つ観点ついて考察することである。私達の社会が限定された一つの地域のみでなく、他の社会との結び付きを加速度的に深めて行く今、私達が考えなければならないのは社会というネットワークとどのように関わり、どういった意識を持ち、対話していくかである。
内部と外部、あるいは現実と仮想の間に在る境界線を揺さぶるというこの展覧会のテーマに沿った試みの一つとして、厚紙製の巨大な都市がギャラリーに展示される。これは重なり合う都市空間、都市の再構築をコンセプトとした、絶えず形を変えていく都市風景だ。会場を訪れた人々は自らの手で厚紙都市の際限無き拡張へ参加出来る。その場で思い思いのビルを作ったり、自分の持ち物を建物の中に飾ったりしても良いだろう。
この展覧会はTrampolineの協力のもとで開催される。Trampolineはノッティンガム(イギリス)とベルリン(ドイツ)を拠点としたメディア・アートの団体で、新しいテクノロジーを使ったアート作品やアーティストを、展覧会の開催や制作の依頼、子ども向けのイベント開催等の形で支援している。
www.trampoline.org.uk
www.radiator-festival.org
この展覧会の一部として以下のイベントが行われる *オープニング
小岩プロジェクトスペース(チバビル4階) 7月28日 金曜日 午後7時-9時
Christophe Charles
Rob Flint (Scopac)
Lynn Lu
Trampolineビデオショー (世界各地から寄せられた最新の映像作品) *ワークショップ
都市空間探索 - 銀座芸術研究所近辺のエリアを探索。
8月5日 土曜日 午後2時
span id="m3">*アーティストによる講演
小岩プロジェクトスペース(チバビル4階) 8月6日 日曜日 午後2時より
*クロージング・イベント
小岩プロジェクトスペース(チバビル4階) 8月1 †8日 金曜日午 後7時?9時
Please phone the gallery if you wish to attend either of these events
03-5537-5421
翻訳 太田裕一
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